胡蝶語り

shioumiの日記みたいな語り まあまあ日刊

6月8日 曇のち晴れ 量が質を生む

良く見かける議論に、「質を取るのか量を取るのか、どちらを優先すべきか」というものがある。

 

僕の考えでは、「量」一択だ。なぜなら、コストをかけたからと言って、必ず質が高まるわけではないから。ならば量を取ったほうが、リターンの期待値が増えるだろう。

 

さらにいわせてもらえば、僕は、量が質を生むと考えている。あの天才パブロ・ピカソは、生涯多作だったらしい。スペインのバルセロナにあるピカソ美術館に行ったとき、習作がたくさんあったのを見た。同じような、けれど少しずつ変えた絵、あるいは大画の一場面を切り抜いたように描いた絵がたくさん飾ってあった。

 

ピカソという人は、頭で考えるのではなく、とにかく手を動かすタイプの人だったのだろうと想像する。

 

知っている人は知っている話だが、ピカソも名作ばかり描いていたのではない。多作ゆえに駄作も多い。落書きみたいというか、事実落書きでしかない絵もある。だが、数個の名作が、それらの駄作にも価値をつける。絵画バブルのおり、ピカソが多作であるという知識もない転売目的の業者が、ガラクタのような絵を高額で買ったりしたりしたのだろう。

 

量をたくさんこなせば質が生まれ、そして駄作たちは名作の肥やしになる。

 

そんな構造を知ってしまったら、量をこなして努力するしかないじゃないか。と思う。その努力が実るかどうかはまったく別の話だが、とにかくそれが正しい進みかただと思う。知ってしまったら、前に進むしかない。四六時中そのことをだけ考えて、実際に手も動かす。

 

向上心の高い若い人たちは、いろいろなことに高速でチャレンジして、失敗の経験を積んでいる。彼らはきっと本能的にか、質を高めるには量を稼ぐしかないと知っているのだろう。量を稼いで大量の経験値を得た彼らが、10年後にどれだけ質の高いオペレーションをしていくようになるのか、楽しみにして傍目にみていたりする。